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■■□     アドペックレポート/住宅&関連市場情報
□□★                  <2011年11月号>      No.0079
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(株)アドペックは、日本を代表する木工機械メーカー数社などが出資、木質系・窯業系建
材の加工・塗装設備のライン設計から施工管理・試運転立ち上げまでのエンジニアリング
を専門に行う企業です。詳細はホームページをご参照下さい。
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アドペックグループの活動状況報告並びに、住宅関連情報を発信させて頂きます。
内容
(1)中国情報 

中国木工機械メーカーの現状

(2)住宅関連情報
  住宅・建材・家具・不動産等についての公開記事を中心に1ヶ月分をリストア ップ し
て発信します。
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・・・・・(1)中国情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

中国レポート

中国木工機械メーカーの現状

 11月に入っても広東省中山市の最高気温は28℃が続いており、先月の後半より気温

が高くなったような気がしますし、例年に比べても暑いのですが、クーラーも暖房も要らないの

で、今が年間で一番過ごしやすい時期かもしれません。

 中国の景気は未だ低迷状態が続いており、国慶節明けには金融引き締め策が緩和され

るだろうと言われていたのが、少なくとも春節明けまで続きそうで上海の都心のマンションがか

なり値下がりしたとか、大手国営企業もお金が回らない状況が表面化してきたりとか、過去

2年に放出しすぎたお金が不動産価格を押し上げ、不動産バブルの崩壊が噂される中での

調整局面における対策だと思いますが、中小企業は仕事が激減してきており日本のような

手形経済だったら多くの倒産企業が続出してもおかしくない状況になりつつあるようです。

 中国の多くの中小企業は無借金経営が基本で、手形発行も無いのですぐに会社の倒産

という状況にはならないのですが、資本の引き上げや業界の再編成(合併吸収や廃業)が

進む状況になりかけているのではないかと思います。

 木工機械業界のような多くの中小企業によって構成されている業界も少なからず影響を

受けているようで、床材メーカーや家具メーカーの都市部での工場建設や設備投資も峠を

超えており、地方都市への進出や地方のメーカーの設備投資が期待されて、計画は多く有

るようなのですが、現状は停滞しているようです。

 中国国内における基本的な需要は、まだまだ期待出来る状況なので、今は政府による

一時的な調整時期ととらえて、少し我慢の時期という位置づけで多くの企業が考えているよ

うです。

 前回の木工用プレスメーカーを数社訪問したり、中国での他の木工機械の状況を聞いた

り、展示会以外で中国メーカーの機械を見る機会が増えて来ているのですが、全体に言え

る点はヨーロッパメーカーの機械のコピー品が圧倒的に多いと言う事です。

 しかもその設計思想や構造等は30年~40年前の機械のコピーが多く、それを超えた新

たな発想や最新の技術で開発された機械がかなり少ない状況だと思います。

 そもそも、中国は20年位前まで国営企業が多くの設備をヨーロッパから導入して産業の基

盤を作ったのですが、その後の民営化による国営企業解体時期に起業して木工機械メーカ

ーを創設したと考えれば、その頃に有った機械をとりあえずコピーして製造し始めても不思議

では無いのでしょう。

 しかし、中国の急激な発展を背景にそれらの起業したメーカーは、設計の古い単なるコピ

ー製品でも中国国内での圧倒的に大きな需要によって売れ続け、会社の規模は大きくなり、

経営者の利益は膨れあがり、外見と名前だけは立派な企業に成長してきた時期が今だと考

えられます。

 全ての木工機械メーカーがそうだとは言えませんが、人件費の安さを背景にして作れば売れ

る時期、自動化や安全性や高速化に対する機器の高級化は古い機械には無く、とりあえず

売れるからそのまま作り販売してきた時期だったのでは無いかと推測されます。

 安全性や最新の電気制御機器の組み込みはコストを意外に高くする事から、利益追求の

経営者に敬遠され、それが中国国内製のシーケンサーやインバーター、サーボモーター・センサ

ー等の最新の制御機器の開発を遅らせ、海外からの輸入や海外企業の中国進出によって

流通し始めたような気がします。

 大量一般消費工業品の家電や自動車等の大手メーカーは中国の国営企業の発展型や

海外企業との合弁企業が圧倒的に多い為、ハイテク技術や世界の最新技術を設備にも導

入してきていますが、中国の木工業界、特に家具業界はかなりの多くの設備を中国の機械

設備メーカーから購入しており、逆に今までは安い人件費をベースにライン化をしないで安い

機械(30年以前の設計のコピー機械)を武器に完全自動化では出来にくい商品化をライン

アップして、世界市場に安く販売してきました。

 最近の都市部での人件費の高騰や人手不足で、自動化やライン化の話が増えてきてお

り、自動化設備が今後木工業界でも急激に導入されるようになり、それに伴い、各単体機

械においても、以前のコピー品から脱皮した、多くの納入実績や客先の要望に応じた改良

や新規に開発された機械が作られるようになると考えられます。

 現時点の中国の木工機械メーカーは、今後いかに自社の機械の開発に投資できるかで

生き残れるかどうかが決まる時期に来ていると思います。

 言い換えれば経営者や資本投資者への利益配分をいかに開発費に回すことが出来るか

と、言うことになるのですが、今の中国の中小企業の経営者のどの程度の人がそう考えるか

は不明です。

 日本の中小の木工機械メーカーも、中国市場と今後の世界市場に少しでも参入する事

が出来るかは、戦略を考えれば未だラストトチャンスが有るかもしれません。

                                    2011年11月10日

                                           車田 修

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・・・・・(2)住宅関連情報・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

2011年10月

目次
1.住宅関連
2.リフォーム関連
3.住宅ローン関連
4.建材・住設・家具・合板・木材関連
5.建築・不動産関連
6.塗料・素材関連
7.環境関連
8.アジア関連

今月の住宅関連情報へのリンク尚、上記内容を詳しく情報が知りたい方は、ご連絡下さい。

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