■住宅関連情報/2021年7月 ■        過去の住宅情報
<住宅、リフォ-ム、ロ-ン、建材・住設・家具・合板・木材、建築・ゼネコン・不動産、塗料・素材、環境、アジア>

住宅関連
  1. 住宅着工動向:国土交通省情報-2021年6月の新設住宅着工戸数は76,312戸、前年同月比7.3%増と4カ月連続の増加。季節調整後の年率換算/866,000戸、前月比1.0%減と2カ月連続の減少。※国交省7-30/21配信
  2. 住宅着工動向:同上-種別。持ち家/26,151戸、前年同月比10.6%増と8カ月連続の増加。貸家/29,802戸、同11.8%増と4カ月連続の増加。分譲住宅/19,877戸、同1.5%減と先月の増加から再び減少。分譲住宅のうち/マンション-7024戸、同1.5%減と4カ月ぶりの減少。一戸建て住宅-12,654戸、同8.5%増と2カ月連続の増加。※同上
  3. マンション動向:不動産経済研究所情報/1-6月期の首都圏の新築マンションの発売戸数-前年同期比77.3%増の13,277戸。コロナ禍の影響で調査開始から初めて上半期で1万戸を下回った2020年から回復した。在宅勤務の普及などから買い替え需要が高く、コロナ禍前の19年に近い水準まで戻った。1-6月の増加は18年以来3年ぶり。※日経7-20/21P14
  4. マンション動向:同上/地域別の発売戸数-東京23区は51.3%増のほか、神奈川県や埼玉県を含め全地域で増加。コロナ禍の影響で不動産会社が営業活動を自粛した20年の反動もあった。平均価格/3.9%減の6414万円と9年ぶりに下落。郊外人気で東京23区の占める割合が落ちた影響もある。ただ、10年前からは約4割上昇している。※同上
  5. マンション動向:同上/同研究所予測-21年通年の首都圏の発売戸数は約32,000戸と2年ぶりに3万戸台を回復するとみる。11月には五輪の選手村に使われた大規模マンション「晴海フラッグ」の販売も再開される。「晴海フラッグ」は消費者の関心が高く、他の物件の販売にもプラスの影響がある」と。※同上
  6. 住宅:投資用不動産情報サイト「楽待」を運営するファ-ストロジック/まとめ。4-6月期の投資用不動産の市場動向情報/比較的購入しやすい区分マンションの価格-1物件1771万円で、過去最高だった前四半期から3%上昇。1棟単位のアパ-トやマンションも値上がりしており、安定収入を求めて不動産市場に投資する個人が目立つ。※日経7-7/21P19
  7. 住宅:価格上昇が続く背景/「不動産投資に関心を持つ人が増え、実際に資金を振り向ける投資家の裾野が広がっている」(同社)。高額で金融機関からの融資が必要な1棟物件ではなく、比較的少額で購入できる区分マンションを選ぶ人が多いという。区分マンションの利回り/6.76%と過去最低の水準を更新した。※同上
  8. 住宅:価格動向/アットホ-ムの5月調査情報-首都圏1都3県の新築戸建て住宅価格が最高値圏で推移。対象8地域のうち東京23区や横浜・川崎市など5地域で2017年の集計開始以来の最高額となった。特に郊外主要都市が伸びた。コロナ禍で持ち家志向が刺激されるなか、都心の住宅不足に加え、郊外に住みたい人も増えた。※日経7-8/21P20
  9. 住宅:価格動向/同上-首都圏全体の新築戸建て住宅の平均募集価格は1棟あたり3966万円。都心より単価の低い郊外物件が増えたため4月比0.1%安だが、全8地域で前年同月比を4カ月連続で上回った。東京23区、さいたま市、横浜市・川崎市、それ以外の神奈川県域、千葉県西部の5地域で最高値となった。※同上
  10. 住宅:価格動向/同上-特に千葉県西部が4月比1.9%高の3626万円、横浜市・川崎市が同1%高の4475万円と大きく伸びた。東京23区/4月比0.1%高の5738万円。6000万円以上の価格の物件などがけん引し、7カ月連続で前年同月を超えた。アットホ-ムラボ/「需要に対する住宅の供給不足感はしばらく続きそうだ」と。※同上
  11. 住宅:タマホ-ム/2021年5月期連結-増収増益。売上高2180億円(前期/2092)、経常益110.93億円(同/97.54)、利益71.68億円(同/51.09)。22年5月期連結見通し/売上高2250億円、経常益113.00億円、利益73.00億円。※日経7-13/21P18
  12. 住宅:住宅事業を手掛けるナイス/ヤマダホ-ルディングス(HD)の出資を受け入れる。ヤマダHDの出資額/40億円弱で、持ち株比率は約18%となる。ヤマダHDが強化する住宅とナイスが持つ建築資材の販路や営業網を互いに活用する。※日経7-17/21P15
  13. 住宅:中古住宅/東京カンティ情報-6月の中古マンション平均希望売り出し価格(70㎡換算)は首都圏で4114万円と5月比70万円(1.7%)上昇。2002年の調査開始以降の最高値を2カ月連続で更新。コロナ禍を契機とした東京周辺部の物件の人気を映し、神奈川県や千葉県、埼玉県の値上がりが鮮明だった。※日経7-31/21P14
  14. 住宅:中古住宅/同上-神奈川県は3096万円と5月比85万円(2.8%)上昇。千葉県は44万円(2%)高の2291万円。埼玉県は28万円(1.1%)高の2465万円。在宅時間が増え持ち家志向が高まる中、「高価格の都心物件を買えない人らが都内以外で探す流れが加速した」(同社)。※同上
  15. 住宅:中古住宅/同上-東京都は40万円(0.7%)高の5711万円と12カ月連続で上昇。東京23区は6329万円と23万円(0.4%)高い。都心部では上昇の余地が少なくなっており、緩やかな上昇基調が続くとみられる。近畿圏/15万円(0.6%)高の2579万円と8カ月連続で上昇。中部圏/27万円(1.3%)高の2073万円と5カ月連続で上昇。※同上
  16. 住宅:河野規制改革相/表明:特定の技術を持つ管理責任者が事業所などに常駐しなければならないとする規制を一部廃止する。マンションを管理する業者が事務所などに置く必要がある管理業務主任者はオンラインで対応できるようになる。※日経7-7/21P5
  17. 住宅:経済産業省や国土交通省など/2030年までに新築戸建て住宅の約6割に太陽光発電設備を設置する検討開始。現状は1-2割とみられ、30年度の総発電量の36-38%を再生可能エネルギ-でまかなうために大幅に引き上げる。規模別/大手住宅メ-カ-の注文戸建て住宅の9割で、中小・建て売りの半分程度での設置を目指す。※日経7-28/21P5
  18. 地価:コロナ禍による訪日客の急減や消費の低迷が地価を押し下げている。2021年1月1日時点の路線価/全国の8割にあたる都府県の平均値が下がった。観光地や繁華街の下落が目立った。主要都市の駅前などは堅調だったほか都心には海外からの緩和マネ-が流入し、二極化の様相も呈している。※日経7-2/21P5
  19. 地価:全国平均/前年比0.5%の下落と、6年ぶりに下がった。東京、大阪、名古屋の三大都市を含む39都府県でマイナスとなった。一方、北海道、宮城、千葉、福岡、佐賀、熊本、沖縄の道県は上昇し、山形県は横ばいだった。※同上
  20. 地価:不動産投資市場/ジョ-ンズラングラサ-ル(JLL)情報-2020年の海外投資家による国内不動産への直接投資額は1兆5547億円で19年比で約6割増加。21年の東京都の路線価は前年の5%上昇から1.1%下落に転じたが、世界的な緩和マネ-が都心の地価を支える構図もある。「東京は世界的にみても魅力的な投資対象が多い」(JLL)と。※同上
  21. 土地:政府/所有者不明土地の活用促進法の検討に入った。公共目的で利用できる範囲を広げ、新たに小規模な再生可能エネルギ-発電所(蓄電池装備)や防災設備も対象に含める。使用期限も現行の10年から20年間に延長する方向だ。少子高齢化で未相続で放置の土地は増加が続く(2016年時点/九州を上回る約410万ha)。※日経7-19/21P1,3
住宅リフォーム関連
住宅ロ-ン関連
  1. 住宅ロ-ン:コロナ禍の続く中、失業や収入減で住宅ロ-ンの返済に行き詰まる人が増加傾向。金融機関は一時的な返済猶予に応じているが、状況が改善しない場合は、物件を売却してロ-ン清算に充てる<任意売却>などの対応が迫られる。「フラット35」を扱う住宅金融支援機構/2021年6月末時点で110,000件超の返済案件変更に対応。※日経7-11/21P27
建材・住設・家具関連
  1. 建材:鋼板/厚鋼板(厚板/厚さ6mm以上)-国内流通価格が一段高となった。流通市場/熱延鋼板の12mm品-東京地域の問屋仲間価格は現在1トン108,500円前後。前月上旬から10,000円(10%)上昇。2008年10月以来、12年9カ月ぶりの高値。昨年の夏から秋にかけての底値(同80,000円前後)より28,500円(36%)高い。※日経7-2/21P21
  2. 建材:鋼板/薄鋼板(薄板/厚さ3mm未満)-熱延鋼板の1.6mm品は現在1トン112,500円前後。昨年の底値(同76,000円前後)から36,500円(48%)高い。厚鋼/アジアの造船会社からの引き合いが回復し、輸出が増勢になり国内の需給が引き締まった。国内では建機や産業機械向けの需要が好調。建材供給が遅れる懸念も出ている。※同上
  3. 建材:鋼板/阪和興業情報-輸入鋼材3品種(厚鋼板、熱延コイル、冷延コイル)の5月末時点の岸壁在庫は東京地区と大阪地区の合計は131,000トンと前月末比4000トン(3.1%)増加。原料高や鋼板製品の需給逼迫による先高感から、国内の鋼材業者が年明け以降に調達契約を増やした分が入庫したとみられる。増加は5カ月連続。※日経7-3/21P15
  4. 建材:鋼板/薄鋼板の主要3品種(熱延、冷延、表面処理)のメ-カ-・流通の国内在庫-5月末時点の速報値は3,905,000トンと4月末比221,000トン(6.0%)増加。2020年8月以来、9カ月ぶりの高水準。大型連休中に需要家の工場の稼働がとまり、消費が鈍った。前年同月比では557,000トン(12.5%)少ない。輸入も減少/需給はタイト。※日経7-7/21P19
  5. 建材:鋼板/日本製鉄-自動車や家電などで幅広く使う薄鋼板の一般流通(店売り)向け価格について、9月出荷相当分から1トン10,000円(約1割)引き上げる。鉄鉱石など原料価格や海上運賃が上昇しており、製品価格に転嫁し採算の改善につなげる。値上げは2カ月ぶり。対象/熱延鋼板、酸洗、冷延、めっき鋼板の全品種。※日経7-29/21P19
  6. 建材:建設用鋼材/建築用鋼材の取引価格-小幅上昇が続いている。H形鋼の問屋仲間価格/東京地区-現在1トン93,500円前後。前月比3000円(3%)高く、昨年の底値から2割強上昇。流通市場/建物の修繕に使うH形鋼などの小口需要が底堅い。形鋼類の流通価格/「10万円台が視野に入る」(鉄鋼商社)。※日経7-2/21P21
  7. 建材:建設用鋼材/日本製鉄-自動車や建材などに幅広く使う鋼管の一般流通(店売り)向け価格について、9月製造分から1トン10,000円引き上げる方針を決め、需要家に申し入れを始めた。鉄鉱石などの原料価格や物流費の上昇が続いておりコスト上昇分を転嫁する。対象/炭素鋼管の全品種。値上げは今年に入って3回目。※日経7-6/21P17
  8. 建材:建設用鋼材/同上-同社は2月引き受け分から15,000円、5月引き受け分から10%の値上げを表明している。大口需要家向けの「ひも付き」取引についても、価格引き上げの交渉を進める。これまでのメ-カ-値上げは流通市場に浸透。※同上
  9. 建材:建材用鋼材/同上-液体や気体を通す配管向けに使うガス管の高炉品(黒)の現在の問屋仲間価格は1トン170,000円前後と前月比5000円(3%)高い。直近安値からは20,000円(13%)上昇。需要/建築・土木向けで増加傾向(鋼管特約店)。材料の薄鋼板不足による供給の縮小から、鋼管は品薄だ。※同上
  10. 建材:建設用鋼材/東京製鉄-8月分の契約価格について、H形鋼や異形棒鋼などを前月から1トン3000円引き上げる。8月分の契約価格/H形鋼-1トン106,000円、薄鋼板-同102,000円。いずれも前月から3%の上昇。異形棒鋼-同86,000円で4%高。厚鋼板(厚板)-前月から5000円(5%)上げ、同112,000円とした。※日経7-14/21P19
  11. 建材:建設用鋼材/日本製鉄-H形鋼の一般流通(店売り)向け販売価格について、7月契約分から1トン5000円引き上げる。値上げは3カ月連続。鉄鉱石や合金鉄などの原料価格の上昇を踏まえ、製品価格に転嫁して採算を改善させる。「ときわ会」まとめ/6月末時点のH形鋼在庫-196,800トン、前月末比6500トン(3.2%)減。※日経7-14/21P19
  12. 建材:建設用鋼材/異形棒鋼-取引価格が一段高となり、約12年半ぶり高値を付けた。原料の鉄スクラップの価格が高止まりし、棒鋼メ-カ-が値上げに注力。需要家のゼネコン側が部分的に受け入れた。鉄筋コンクリ-ト造(RC法)の着工は増えつつあるが、力強さを欠き、値上がりのペ-スは緩やかだ。※日経7-20/21P20
  13. 建材:建設用鋼材/異形棒鋼-指標となる直径16mm品の大口需要家渡し価格は東京地区で現在、1トン91,000円前後、前月から4000円(5%)高く、2020年夏の底値(同65,000円前後)からは26,000円(40%)上昇。9万円台に乗せるのは08年12月以来、12年7カ月ぶり。※同上
  14. 建材:建設用鋼材/H形鋼-鉄骨造(S造)などの建物の柱や梁に使うH形鋼も取引価格が上昇している。東京地区の問屋仲間価格/現在-1トン96,500円前後と7月上旬時点から3000円(3%)高い。ここにきて材料となる厚鋼板(厚鋼)不足を背景にH形鋼の需給が流通市場で引き締まり、値上がりに拍車がかかっている。※日経7-20/21P20
  15. 建材:セメント/セメント協会情報-6月のセメントの国内販売量は3,306,283トンで前年同月比1.7%減。3カ月連続で前年を下回った。新たな大型工事が少なく、全国11区のうち7区が前年水準を割り込んだ。特に沖縄県は同32.9%減の52,209トンと落ち込みが目立った。一方、首都圏など関東1区は4.6%増と回復傾向だ。※日経7-28/21P17
  16. 建材:産業資材/景気動向に敏感な企業間取引価格を基に算出した日経商品指数42種(1970年=100)の7月末値-209.955、1980年4月末につけた209.833を超え、過去最高を更新。原油や鉄鉱石といった原料の高騰が幅広い商品に波及。前年同期比で41.473ポイント(24.6%)高く、7カ月連続で前年実績を上回った。※日経7-31/21P14
  17. 建材:産業資材/同上-上昇が目立ってきたのは化学。原油・ナフサ高を映し、合成樹脂の原料となる基礎化学品ベンゼンの国内価格が上がった。鋼材も高い/鉄鉱石などが高騰し、鉄鋼メ-カ-は昨秋から取引価格を断続的に引き上げている。自動車向けなどの需要が上向き、流通市場で需給が逼迫。メ-カ-の値上げ分の転嫁が進んだ。※同上
  18. 建材:三協立山/2021年5月期連結-最終黒字化。売上高3011億円(前期/3136)、経常益52.51億円(同/16.11)、利益16.83億円(同/▲15.33)。最終黒字は4期ぶり。自動車や機械向け部品販売が回復し、主力の建材事業の苦戦を補った。22年5月期連結見通し/売上高3200億円、経常益32.00億円、利益4.00億円。※日経7-14/21P18
  19. 建材:ノダ/2021年5月中間期連結-減収増益。売上高309億円(前年同期/311)、経常益17.38億円(同/14.65)、利益10.51億円(同/8.07)。21年11月期連結見通し/売上高640億円、経常益30.00億円、利益19.00億円。※日経7-16/21P19
  20. 建材:東京製鉄/2022年3月期単独見通し-税引き利益は前期比3.2倍の190億円。従来予想を80億円上回る。世界各地で鋼材価格が高値で推移する中、実施している製品値上げが夏以降に本格的に浸透し採算性が上向く。売上高は73%増の2440億円、250億円の上方修正。旺盛な鋼材需要で販売量が増えている。※日経7-21/21P17
  21. 建材:東京製鉄/同上-需給が引き締まる中、中国や米国、欧州など各地で鋼材価格も高水準で推移している。東京製鉄も値上げを実施中。7-9月期以降の鋼材販売単価は4-6月比で19%増の1トン97,000円になるとみる。原料の鉄スクラップ/高値が続くが、価格上昇を吸収して7-9月以降の利幅も同29%増の1トン45,000円になる見通し。※同上
  22. 住設:アサヒ衛陶/2021年5月中間期連結-最終増益。売上高8億円(前年同期/10)、経常益0.20億円(同/0.29)、利益0.29億円(同/0.21)。21年11月期連結見通し/未公表。※日経7-16/21P19
  23. 家具:くろがね工作所/2021年5月中間期連結-黒字化。売上高46億円(前年同期/41)、経常益0.28億円(同/▲0.96)、利益0.89億円(同/▲1.42)。21年11月期連結見通し/売上高89億円、経常益0.45億円、利益0.85億円。※日経7-16/21P19
  24. 家具:コクヨ/2021年6月中間期連結-増収増益。売上高1681億円(前年同期/1558)、経常益104.64億円(同/94.67)、利益83.32億円(同/62.88)。21年12月期連結見通し/売上高3220億円、経常益161.00億円、利益123.00億円。※日経7-31/21P16
合板・木材関連
  1. 合板:輸入合板/東南アジアから輸入する合板の国内流通価格が高騰している。マンションの基礎工事などに使う型枠用合板の価格は約14年ぶりの高値を付けた。海上運賃の上昇や原料の丸太高が響く。主産地マレ-シアの都市封鎖で品薄感がさらに強まり、相場上昇に拍車をかけている。※日経7-9/21P19
  2. 合板:輸入合板/型枠用合板-指標となる12mmの輸入品の問屋卸価格(東京地区)は1枚1430円(中心値)。6月比80円(6%)上昇し、2006年12月以来14年7カ月ぶりの高値にある。コロナ禍で需要が減り直近底値だった20年10月からは17%の上昇。主産地のマレ-シアの合板メ-カ-による値上げを商社が転嫁した。※同上
  3. 合板:輸入合板/薄物-インドネシアが主産地である住宅の内装や家具に使われる普通合板も最高値を更新。「薄物」と呼ばれる2.3mm品/1枚650円と前月比30円(5%)高い。薄物は高額な良質丸太が必要なうえ厚物より採算性が低いとあり、現地メ-カ-が特に生産を減らしている。「日本国内の市場に出回らず買えない」(問屋)と。※同上
  4. 合板:輸入合板/住宅の壁や床に使う輸入合板が一段高となった。指標品の輸入物の構造用合板(12mm)/東京地区の問屋卸価格-現在、1枚1470円(中心値)、7月上旬比20円(1%)高い。主産地のインドネシア・マレ-シアではコロナ禍が再拡大し、工場の稼働率が低下している。塗装型枠用合板が優先的に生産/構造用合板は品不足。※日経7-20/21P20
  5. 合板:国産合板/初めて国産のコンクリ-ト型枠用合板を工事で使った分譲マンションを販売する(多摩市で建設中の「ザ・パ-クハウス聖蹟桜カ丘」)。SDGsとして、三菱地所グル-プは2030年度までに型枠用合板を国産や人権や環境に配慮した合板に切り替える方針を掲げた。輸入合板が値上げるする中、国産型枠用合板に弾みがつきそうだ。※日経7-21/21P17
  6. 合板:国産合板/同上-双日建材が販売する国産カラマツとロシア産のラ-チ(カラマツ)を原料とした国産型枠用合板「ドルフィンコ-ト」を使う(セイホクグル-プと双日株式会社の共同出資会社のドルフィンコ-ト株式会社で生産)。型枠用合板/耐久性のある南洋材が多い。国内で使う型枠用合板の9割がマレ-シアやインドネシア産などの輸入品だ。国産に割安感/増加傾向。※同上
  7. 木材:集成材/住宅用木材の高騰が続いている。指標の集成平角(4m✕10.5㎝✕30㎝)の東京地区の問屋卸価格/現在-1立方m105,000円(中心値)。前月比20,000円(24%)高く、3カ月連続で最高値を更新。集成管柱(3m✕10.5㎝角)/1本-3500円と同700円(25%)高い。背景/板材「ラミナ」価格の高騰。※日経7-16/21P21
  8. 木材:製材品/住宅の梁や柱に使うスギやヒノキといった国産の製材品価格が急騰。木造住宅の着工が増える中、米国発の相場高「ウッドショック」で輸入材の入荷が減り代替需要が増加。大規模な製材所が多い西日本を中心に丸太不足が鮮明で、原木丸太の価格も高い。国は国有林の伐採入札の前倒しを進める方針だが/出材効果は?※日経7-21/21P17
  9. 木材:製材品/★ヒノキのKD正角(3m✕10.5㎝角)の首都圏の問屋卸価格-1立方m14万円と前月比で1万円(8%)高い。★グリン材(同)-1立方m9万円と17,000円(23%)上昇し、1998年1月以来23年6カ月ぶりの高値を付けた。※同上
  10. 木材:製材品/★スギのKD正角(同)-1立方m12万円と前月比で1万円(9%)上昇。★グリン材-1立方m6万円と6500円(12%)高く、97年5月以来24年2カ月ぶりの高値となった。米松や集成材など輸入木材の不足で国産材の代替需要が高まっている。製材大手/「今の設備体制では1割弱した増産できない」と。※同上
  11. 木材:製材品/中国木材-8月1日受注分から、住宅の梁や柱に使う米松KD平角などを1立方m15,000円値上げする。原料の米松丸太価格と海上運賃の上昇分を転嫁し、採算を改善する。大幅な値上げは年内5回目。※日経7-31/21P14
  12. 木材:国産丸太/農林水産省情報-製材品不足で原料の丸太価格も上昇。★6月中旬時点のヒノキ丸太の全国平均価格(工場着)/14-22㎝✕3.65-4m品が1立方m25,200円と、前月比で3800円(18%)上昇。前年同月比では9300円(58%)高い。ヒノキ/生産地は西日本に多い。スギ/全国で植林。国有林から出る丸太比率/国産材の約15%。※同上
不動産・建築・ゼネコン関連
  1. 不動産:オフィスビル/三鬼商事情報-東京のオフィス空室率が上昇している。都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の6月の空室率/5月より0.29ポイント高い6.19%。新宿区を除く4区で上昇。5区の空室率/2020年2月に過去最低の1.49%を記録したが、1年4カ月で7年前の水準まで逆戻り。空室増加で賃料も11カ月連続で下落。※日経7-9/21P2
  2. 不動産:オフィスビル/同上-港区の空室率は5月比0.5ポイント高い8.05%。都心5区の大型ビルに限った空室率/3月末時点-1.6%。ニュ-ヨ-ク(12.9%)やロンドン(7.8%)より低い。懸念材料/23年に控えるオフィススペ-スの大量供給だ。新しい働き方に対応したオフィス価値を生み出せるかが、売り手となる不動産会社の課題となる。※同上
  3. 不動産:ファンド/欧州の不動産ファンド大手のパトリツィア-日本での投資に本格参入。主に賃貸マンションやオフィスを購入し、今後3-4年で運用資産を最大約3000億円に増やす。日本は比較的安定した賃料収入が見込め、借り入れコストを考慮すれば投資妙味は大きいと判断。海外の有力ファンドの参入で国内での不動産取引が活発になりそうだ。※日経7-21/21P12
塗料・素材・原油関連
  1. 原油:日本の石油会社が産油国から長期契約で輸入する原油(DD原油)/大幅に値上がりした。サウジアラビア産の6月積み価格/代表油種「アラビアンライト」-1バレル73.31ドルと5月積み比5.16ドル(7.6%)上昇。2018年10月積み以来、2年8カ月ぶりの高値。主要油種の上昇は2カ月連続。世界的に供給不足が深まるとの観測。※日経7-2/21P21
  2. 原油:原油市場で需給逼迫による先高感が一段と強まってきた。OPECや「OPECプラス」の閣僚会議が5日決裂。8月以降の供給増(協調減産の縮小)の幅を決められず、世界的に供給不足への不安に拍車がかかった。米原油先物/6日の時間外取引で一時1バレル77ドル弱と約6年7カ月ぶりの高値をつけた。※日経7-7/21P11
  3. 原油:国際エネルギ-機関(IEA)の7月の石油市場月報情報/OPECと「OPECプラス」による減産縮小協議の決裂で「石油市場の需給が著しく逼迫する」可能性を指摘し、在庫水準の大幅減にも言及。実際に在庫の取り崩しが進めば、現在は1バレル74ドル前後で推移している米原油先物への上昇圧力がさらに強まりそうだ。※日経7-14/21P11
  4. 原油:東京商品取引所の原油先物が大幅に下落した。取引の中心となる期先物の15日の清算値/1キロリットル46,900円で、前日比1940円(4%)安い。OPEC加盟国と「OPECプラス」の協調減産を巡り、対立していたサウジアラビアとアラブ首長国連邦が合意したとロイタ-通信が報じたことが手掛かりとなった。※日経7-16/21P21
  5. 原油:ニュ-ヨ-ク(NY)市場/15日-WTI原油先物の期近物が続落し、14日の比べ1.48ドル(2.0%)安い1バレル71.65ドルで取引を終えた。終値としては約1カ月ぶりの安値。OPECの加盟国と「OPECプラス」が、今後の生産量を増やすとの観測が強まっているのが背景だ。※日経7-17/21P11
  6. 原油:OPECと「OPECプラス」/16日-閣僚会議で協調減産を8月から毎月日量40万バレルずつ縮小すると決めた。協調減産の枠組みを2022年末まで続けることも一致した。5日決裂していたが、再協議で妥結した。OPECプラス/段階的に供給を戻すことで、上昇圧力が和らぐとの見方が多い。※日経7-19/21P3
  7. 原油:ニュ-ヨ-ク(NY)市場のWTI原油先物/日本時間19日の時間外取引で下落し、期近物が1バレル70ドルを約1カ月ぶりに下回る場面があった。前週末終値/71.81ドル。「OPECプラス」は18日の協議で、8月以降の生産量を毎月、日量40万バレルずつ増やすことで合意。供給不安が和らいだ。※日経7-20/21P11
  8. 素材:合成樹脂/包装材料や自動車部品など幅広く使われる汎用合成樹脂の値上げが相次ぐ。メ-カ-各社/7月からポリエチレン、ポリプロピレンを5-8%程度、ポリスチレンは10%超引き上げる。値上げは4月以来。主原料のナフサやベンゼンの価格が上がり続けており、製品価格への転嫁を急ぎ、収益の改善につなげる。※日経7-3/21P15
  9. 素材:合成樹脂/同上-各社の動向①。三菱ケミカル系の日本ポリエチレンと旭化成/7月1日納入分からポリエチレンの価格-1kg15円以上引き上げる。宇部丸善ポリエチレン/12日から同15円(約8%)以上、東ソ-/15日から同12円(約5-8%)以上、三井化学系のプライムポリマ-/15日から同10円(5%程度)以上値上げする。※同上
  10. 素材:合成樹脂/同上-各社の動向②。プライムモリマ-/ポリプロピレンの価格を15日納入分から1kg15円以上引き上げる。DIC/ポリスチレンの価格を1日納入分から同27円(13%前後)以上の値上げを打ち出す。東洋スチレン、PSジャパンも足並みをそろえる。※同上
  11. 素材:合成樹脂/同上-大口需要家向けの合成樹脂価格は国産ナフサ価格を指標に交渉で決める。4-6月期の国産ナフサ価格/1キロリットル47,000円前後と、1-3月比2割強高くなる見通し。原油価格の上昇に伴い7-9月期は同52,000円を超えるとみられ、合成樹脂メ-カ-は今年に入っておおむね3度目となる値上げを表明。国内需要は回復の兆し。※同上
  12. 素材:ナフサ/石油化学製品の基礎原料となるナフサの値上がりが鮮明だ。国産ナフサの2021年4-6月期価格/前の四半期に比べ2割高い。スポット価格も7月に入り、約3年ぶりの高値を付けた。原油高に加え、石化製品の需要も回復しつつある。7-9月期もさらに1割ほど上がる見通し。合成樹脂などの価格の押し上げ要因になる。※日経7-30/21P21
  13. 素材:ナフサ/同上-国産ナフサ価格は平均輸入価格と連動させ、四半期ごとに決めている。貿易統計が出るまで時間差があるため、納入後の価格「後決め」が取引慣行だ。4-6月期の価格/1キロリットル47,700円。原油高も進み、1-3月期比8900円(22.9%)高い。上昇は4四半期連続。コロナ禍で落ち込んだ20年1-3月の25,000円から2倍弱の水準。※同上
  14. 素材:ナフサ/同上-国産ナフサ価格の先行指標となるスポット価格も上昇傾向が続く。7月上旬/1トン当たり706ドル前後に達した。700ドルを超えるのは18年10月以来で、足元では695ドル前後で推移。ナフサ高は国内の合成樹脂など石化製品の値上がり要因になる。塩化ビニ-ル管といった建材や包装資材などの値上がりが相次いでいる。※同上
  15. 塗料:川上塗料/2021年5月中間期連結-最終黒字化。売上高25億円(前年同期/24)、経常益0.84億円(同/0.05)、利益0.65億円(同/▲0.03)。21年11月期連結見通し/売上高52億円、経常益0.58億円、利益0.44億円。※日経7-15/21P23
環境関連
  1. 脱炭素:三井不動産/広告-高層木造ビルで脱炭素。竹中工務店とともに、構造材に木材を使用した国内最大となる地上17階建ての「高層木造オフィスビル」の計画に着手。木材には約5000haの三井不動産グル-プ保有林をはじめ、国産材を主に使用。森林資源と地域経済の好循環を実現し、建築時のCO2排出量を約20%削減する。※日経7-19/21P6
アジア関係/その他
  1. 海外:米国/米抵当銀行協会情報-米国の住宅ロ-ンの申請件数が落ち込んでいる。2日までの週間の住宅ロ-ン申請件数/前週比1.8%減、前年同月比で10%減。季節調整済みの指数/1年半ぶりの低水準。金融緩和の恩恵を受けた富裕層の積極的な購入で住宅価格が高騰し、庶民は手を出しにくくなっている。※日経7-9/21P13
  2. アジア:中国/日本の固定資産にあたる不動産税を一部の都市で試験的に導入する方針だ。金融緩和でマネ-が流れ込んだマンション市場の価格高騰を抑える。財務難にあえぐ地方政府の収入を増やす狙いもある。中国財務省/5月-地方政府の担当者や専門家を集めた会議で試験導入の方針を示した。候補地/深セン市や海南省。※日経7-18/21P2
  3. アジア:中国/国家統計局情報-6月、70大中都市の分譲住宅販売価格の上昇幅は全体的に安定基調を維持しつつも、下落する傾向を見せた。①各線都市の新築分譲販売価格の前月比上昇幅は安定を維持。②各線都市の分譲住宅販売価格の前年同月比上昇幅は安定基調を維持しながらも下落傾向。※京貿
  4. アジア:中国/中国当局-「不動産市場秩序の継続的な整理・規範化に関する通知」を出した。中国は不動産市場の秩序を整理・規範化する活動を継続的に展開し、不動産開発、建物売買、住宅賃貸、不動産管理業務などの分野で人々の不満が強く、社会の注目度が高い際立った問題を重点的に整理する。堅調な好転/3年前後で実現へ。※京貿
  5. アジア:中国/中国当局-今後3年前後で、不動産の秩序を「顕著に好転させる」方針を示した。不動産開発を巡る問題解決に向けて取り組むよう全国の地方当局に示し、苦情件数を大幅に減らす。※京貿
  6. アジア:中国/住宅都市農村建設部情報-不動産の市場秩序には依然として多くの弱点があると指摘。不動産開発では、不動産購入時の契約上の納期に間に合わない、住宅の水漏れやひび割れなど品質上の問題が指摘されているという。各都市が不動産開発・住宅販売・住宅賃貸などの分野でこうした問題を調査、問題解決を図るよう指示。※同上
  7. アジア:中国/同上-2021年上半期(1-6月)に着手した全国都市部の老朽住宅の改築事業が36,400カ所で、通年目標の67.5%に達した。今年、都市部の老朽住宅53,000カ所の改善事業を年内に着工すると明らかにしていた。改築は条件を満たせば省エネ建築を導入するよう求め、スマ-ト技術を活用した都市の現代化を進める。※同上
■トピックス
  7-9月産業天気図/外食・薬局など7業種で改善        <日経7-5/21P1,23>
  • 日経/まとめ:主要30業種の2021年7-9月期の産業天気図予想/外食やドラッグストアなど7業種が改善。東京都など9都道府県での緊急事態宣言解除やワクチン接種の進展で人出が戻る見通し。ただコロナ前の水準に需要は戻らず、「小雨」と「雨」は計13業種と半数近くを占める。→主要30業種の天気図分布<( )内は前期実績比の業種数の増減。▲は減少、-は横ばい>/「晴れ」5(1)、「薄日」6(-)、「曇り」6(▲1)、「小雨」7(5)、「雨」6(▲5)。住宅関連業種の天気図は次の通り。
  • マンション・住宅/「曇り」→「曇り」:木材不足に懸念/マンション・戸建てともに需要は堅調。新型コロナ禍で在宅時間が増え、需要は旺盛。一方で都心の物件は値上がりが顕著で、コロナ禍で所得が減る人々の購買意欲は不安視される。戸建ては米国の住宅人気などの余波で、原料の輸入木材が不足する「ウッドショック」による資材値上がりや施工遅れが懸念材料。
  • 建設・セメント/「薄日」→「薄日」:物流倉庫が堅調/企業のデジタル化や電子商取引(EC)の拡大で、デ-タ-センタ-と物流倉庫の建設需要は引き続き好調。大型再開発や国土強靱化関連の公共工事も底堅い。経済活動の再開で民間工事は増加傾向にある。世界でワクチン接種が進むが、各国の感染状況にばらつきがあり、海外工事や先行きは不透明な状況だ。
  • 鉄鋼・非鉄/「曇り」→「曇り」:鋼材市況の過熱感/自動車生産の回復や新興国でのインフラ投資の増加で、世界の鋼材需要は高水準が続く。鉄鋼大手の生産も拡大。3月まで1トン700ドルだった東アジアの熱延コイルの価格は、5月に1000ドルを超えるなど過熱感が出ている。非鉄は銅市況が高騰しているため、中国の国家備蓄の放出計画で揺り戻しが起きている。
  • 石油/「曇り」→「曇り」:原油価格70ドル台に/原油価格は4月の1バレル60ドル台から上昇が続き、6月に70ドル台に達した。背景にはワクチン接種が進む米国を中心とする石油需要の回復がある。当面は高水準が続くという見方が一般的だ。中長期では脱炭素への対応が課題であり、出光興産は給油所をドロ-ンの配送拠点にするなど既存の資産活用を模索する。
  • 化学・繊維/「薄日」→「薄日」:車・半導体向け好調/化学は世界的な自動車生産の復調で、車部品に使う樹脂の販売が好調に推移する。半導体市場の活況を受け、半導体製造過程で使う素材の需要も引き続き旺盛だ。繊維はエアバックの基布など自動車向けが伸びる。ワクチン接種の進展で外出が増えれば、スポ-ト衣料やカジュアルウェア向けの販売が拡大する。
  • 産業・工作機械/「晴れ」→「晴れ」:中国市場の活況続く/工作機械受注額は5月まで3カ月連続で1200億円超となり、好不況の境目とされる1000億円を大きく上回った。電気自動車や高速通信規格「5G」向けなどを中心に生産設備への投資が伸びている。中国向けに加えて北米や欧州も回復してきた。出遅れていた国内も持ち直しの傾向が出ている。
  ■情報源:※日経=日本経済新聞 四国版 ※京貿=日本国際貿易促進協会京都総局
          ※国貿=国際貿易          ※高新=高知新聞