■住宅関連情報/2023年3月 ■        過去の住宅情報
<住宅、リフォ-ム、ロ-ン、建材・住設・家具・合板・木材、建築・ゼネコン・不動産、塗料・素材、環境、アジア>

住宅関連
  1. 住宅着工動向:国土交通省情報/2月の新設住宅着工戸数-64,426戸、前年同月比0.3%減。先月の増加から再びの減少となった。季節調整済み年率換算値/859,000戸。ロイタ-の事前調査での予測中央値/前年同月比0.5%減だった。※東京/31日ロイタ-配信
  2. 住宅着工動向:同上/内訳-持ち家は前年同月比4.6%減(18,368戸)で15カ月連続の減少、貸家は同4.7%増(24,692戸)の24カ月連続の増加。分譲住宅は同1.8%減(21,062戸)で3カ月ぶりの減少。※同上
  3. マンション動向:不動産経済研究所情報/2月の首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの発売戸数-前年同月比20.4%減の1821戸。全体的に新規供給が少なかった。前年に都内で発売された大規模な高額物件の反動で、平均価格も前年実績を下回った。契約率/2カ月ぶりに好調の目安である70%を上回った。※日経3-17/23P14
  4. マンション動向:同上/発売戸数が前年実績を下回ったのは4カ月連続。地域別の発売戸数/東京23区-852戸と前年同月比18.7%減り、神奈川県や千葉県も大幅に下回った。首都圏の平均価格/6778万円と3カ月ぶりに下がった。昨年に大型の高額物件があった反動で、東京23区が9020万円と前年同月比9.9%下落した。※同上
  5. マンション動向:同上/契約率-73.3%と好調の目安である70%を2カ月ぶりに上回った。全体の供給が減るなか、東京五輪・パラリンピックの選手村として使われた大型マンション「晴海フラッグ」の人気が寄与した。足元の新築マンション市場について/「販売価格の上昇が続くなか、海外を中心に以前のような購入の勢いが弱まっている」(同研究所)と指摘。※同上
  6. 住宅:マンション価格/2023年の地価の公示価格-住宅地の全国平均は1.4%上昇。前年から0.9ポイント上昇。共働き世帯の増加や低金利、住宅勤務の広がりといった3つの「追い風」を受け、都市部や周辺で旺盛な実需が地価を下支えする。足元では資材価格の高騰など懸念材料もあり、人気エリアの選別が一段と進むことになりそう。※日経3-23/23P3
  7. 住宅:マンション価格/1戸あたりの平均価格-3億円超、22年秋に三菱地所レジデンスなどが売り出した東京都千代田区の「ザ・パ-クハウス グラン三番町26」は高価にもかかわらず、ほぼ完売。都内では中古物件も含めて「億ション」は今や珍しくない。23年の住宅地/東京23区-3.4%上昇。※同上
  8. 住宅:マンション価格/不動産経済研究所情報-22年の全国の新築分譲マンションの平均価格-5121万円、10年前比約1300万円高い。日本の正社員の平均年収比で約10倍の水準。東京23区の平均価格/約3000万円上がり8236万円。マンション高騰は地方の中核と都市にも-福岡市の高級住宅街で初めて全35室が1億円を超える分譲マンション登場。※同上
  9. 住宅:マンション賃料/東京カンテイ情報-2月の分譲マンション賃料は東京23区で前月比73円(1.8%)高い1㎡当たり4023円。上昇は5カ月連続で、比較可能な2004年以降の最高値を2カ月連続で更新。引っ越しシ-ズンに近づいたことに加え、コロナ禍の沈静化で都心に住むニ-ズが高まっている。※日経3-24/23P26
  10. 住宅:マンション賃料/同上-首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)は60円(1.8%)高い3451円と4カ月連続で上昇。神奈川県/70円(2.8%)高い2551円に上昇するなど、1都3県すべてで賃料が上昇。賃料/今後もしばらく高値圏で推移するとの見方が多い。※同上
  11. 住宅:マンション賃料/同上-近畿圏は46円(2.2%)高の2156円。大阪府が56円(2.4%)高い2420円と3カ月連続で上昇。中部圏は59円(3.1%)高い1960円。※同上
  12. 住宅:集成材大手の銘建工業ほか木造建築関連6社(建築金物大手のBXカネシン、住宅メ-カ-のライフデザイン・カバヤ、ポラテック、院庄林業、都築木材)/8日-日本の木造建築の海外普及を目指す「日本木造建築海外推進協議会」を設立した。部材加工から建築まで一貫した協力体制を築いた。※日経3-9/23P35
  13. 住宅:同上/国内需要が落ち込む中、環境負荷が小さく快適性にも優れた木造建築は世界的に関心が高い。日本の伝統的な工法を強みに日本企業の海外展開を支える。協議会事務所/東京都内。会長/東大の青木謙治准教授-「韓国や台湾など海外から日本の木造住宅を広めたいという声も届いている。会員を増やし法人化も検討」。※同上
  14. 住宅:建売住宅/建て売りを主力とする飯田グル-プホ-ルディングス(GHD)、オ-プンハウスグル-プ  、ケイアイスタ-不動産、三栄建築設計の住宅販売大手4社-2022年末時点の在庫が膨らんでいる。22年末時点の棚卸し資産/前年末比4割増。在庫回転日数/比較可能な16年以降で最も長い。価格上昇で消費者の購入意欲が低下しているためだ。※日経3-18/23P19
  15. 住宅:建売住宅/同上-4社合計の棚卸し資産は22年12月末時点で1兆5236億円と21年12月末比4割増。20年12月末は8810億円(コロナ禍で持ち家需要が拡大した)で、2年で約1.7倍に膨らんだ。販売の効率性も低下/22年の在庫回転日数-4社平均で243日。新築マンションに比べて割安な戸建ては中間層の受け皿になってきた。※同上
  16. 住宅:建売住宅/同上-飯田GHDの22年12月末の未契約在庫は約27,000戸。「現在の販売ベ-スを考慮すると適正な在庫水準から3000棟ほど多い」(同社)。1-3月にかけて約1500-2000棟、4月以降も段階的に在庫の圧縮に取り組む。土地の仕入れも落とし、需給バランスを整える方針だ。※同上
  17. 住宅:建売住宅/同上-飯田GHDの建て売り戸建ての足元の平均価格は2987万円。コロナ禍以前の19年末比で300万円近く上昇。22年10-12月期の営業利益率は6.5%と前年同期比4ポイント低下。当面はまず利益率よりも在庫の適正化に努める方針。※同上
  18. 住宅:耐震診断/大地震の際に大きく揺らす長周期地震動で影響を受けるタワ-マンション(タワマン)を巡り、耐震診断や改修を促す国の補助制度が利用されていない。国は南海トラフ巨大地震の対策地域で設計基準を2017年4月から強化したが、「旧基準」のタワマンは大阪市や神戸市などに約450棟ある。※日経3-19/23P2
  19. 住宅:耐震診断/専門家-「被害を抑えるための対策になる」と耐震診断の必要性を指摘。補助申請ゼロ/耐震対策を促すため①詳細診断②改修に向けた設計③改修工事-の費用の一部を補助する制度を呼びかけた。耐震診断の補助額は1/3。関東、静岡、中京、大阪の4地区11都府県/20階建て以上のタワマン-22年末で1092棟。※同上
  20. 住宅:住宅難民/新型コロナウイルスの影響が弱まり、再び人口の東京圏への一極集中が強まっている。ただ、中核の東京都をみると、高騰する住宅コストの影響で子育て世代を中心に周辺3県への転出超過が止まらない。周辺3県は住民誘致のため新築住宅を増やしており、空き家増加のリスクがある。※日経3-19/23P1,3
  21. 住宅:住宅難民/同上-高齢者や子育て世代など多世代が共生して住める街づくり、人口を多層的に増やしていく知恵が問われる。子育て世代の「東京脱出」は鮮明だ。過去20年ほどの推移/マンション価格が騰勢を強めると転入超過が鈍る傾向がある。※同上
  22. 住宅:住宅難民/同上-都の住宅コストは周辺3県との比較では、新築戸建ての価格は2~5割高、マンション賃料は5割から2倍、住宅地の価格は2~5倍。周辺3県/新築住宅で転入者を受け入れる姿勢が目立つ。2022年の新設住宅着工は前年比4~6%増と全国平均(0.4%)を大幅に上回る。※同上
  23. 住宅:住宅難民/同上-短期的に人口増に沸いても、いずれ増やした住宅がだぶつく懸念がある。人口減少時代の住民誘致策は新築を増やすのではなく、既存住宅をどれだけ活用できりかにかかっている。※同上
  24. 住宅:積水ハウス/2023年1月期連結-増収増益。売上高29288億円(前期/25895)、経常益2572.72億円(同/2300.94)、利益1845.20億円(同/1539.05)。24年1月期連結見通し/売上高30800億円、経常益2590.00億円、利益1930.00億円。純利益/前期比5%増。※日経3-10/23P20
  25. 住宅:積水ハウス/同上-2024年1月期連結の純利益は前期比5%増の見通し。好業績をけん引してきた海外事業は、主力の米国で住宅ロ-ン金利が上昇する影響で住宅販売が急減速するものの(米国は海外売上高の8割を占める)、国内での不動産仲介や物件の開発事業で補う。※同上
  26. 住宅:やまぜんホ-ムズ/2023年1月中間期連結-黒字化。売上高28億円(前年同期/25)、経常益0.44億円(同/▲2.41)、利益0.19億円(同/▲3.12)。23年7月期連結見通し/未発表。※日経3-11/23P17
  27. 住宅:明豊エンタ-プライズ/2023年1月中間期連結-赤字。売上高33億円(前年同期/28)、経常益▲0.67億円(同/0.06)、利益▲0.46億円(同/▲0.39)。23年7月期連結見通し/売上高180億円、経常益7.70億円、利益4.90億円。※日経3-18/23P19
  28. 住宅:大和ハウス工業/建て売り集中-戸建て住宅の事業モデルを転換。戸建ての5割超目標・用地取得を強化。完成済みの建物を販売する建売住宅の割合を5割超に引き上げ、顧客の要望に応じて設計する注文住宅の割合を下げる。2021年度で約75%が注文住宅で占める。※日経3-24/23P15
  29. 住宅:同上/商談から引き渡しまで時間がかかる注文住宅は高騰する建材や人件費の価格転嫁がしにくく、利益率が悪化している。需要減の注文住宅から建売住宅市場に軸足を移す。建売住宅/2026年度の販売戸数-21年度比で3割超となる5000戸程度を目標にする。戸建て住宅のうち、建売住宅の割合は50%超になる。
  30. 住宅:同上/建売住宅の取り扱いを増やすため、全国に80カ所程度ある事業所で建売住宅向けの用地を取得する担当者を配置した。注文住宅の営業担当者が建売住宅を兼任していた仕組みを改め、建売住宅の専任担当者を置くことを検討中。4月から全国を11の地区に分け、それぞれに住宅事業の専任者を配置する。※同上
  31. 住宅:同上/22年3月期の国内戸建て住宅事業の営業利益率-2%と、前の期と比較して約0.6ポイント低下している。国土交通省情報/22年の新築住宅着工戸数のうち、注文住宅に相当する持ち家は253,287戸と前年比11%減少。建売住宅の新設着工戸数は22年は145,992戸と、前年比3.5%増。増加は2年連続。※同上
  32. 住宅:大工半減/2022年末公表の国勢調査情報-住宅の建設や修繕の担い手である大工が減少。20年時点で30万人弱と過去20年で半減。賃金水準などの待遇改善が遅々として進まず、若い世代が減り、高齢化が一段と進展。新築建設では、不具合の増加が一部で指摘され、6000万戸超ある既存住宅の修繕の停滞も懸念。※日経3-26/23P2
  33. 住宅:同上/全国建設労働組合連合会調査-大工の年収は最新の21年で、雇用される労働者は約364万円、「一人親方」と呼ばれる個人事業主は約424万円にとどまる。いずれも電気工や鉄筋工など、ほかの分野を含む平均年収を下回っている。※同上
  34. 住宅:同上/「建設業全体では過去約10年で待遇改善が進んだが、小規模事業者が多い大工はこの流れに取り残された」(芝浦工大の蟹沢教授)と指摘。「今後は人口減を背景に住宅新築は漸減が見込まれるが、予測される大工の減少はさらに早いペ-スで進む」(野村総合研究所)。※同上
  35. 住宅:中古住宅/東京カンテイ情報-1月の東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンション平均希望売り出し価格(70㎡換算)は前月比で18万円(0.2%)安い9965万円。2022年11月に1億円の大台に乗せてから、2カ月連続で下落。日銀の金融緩和の修正が意識され、急ピッチの価格上昇に一服感が出ている。※日経3-3/23P19
  36. 住宅:中古住宅/同上-供給量を示す流通戸数は3895戸と前年同月比22%増。直近3カ月間に値下げした住戸の割合を示す価格改定シェア/1年前から8.6ポイント高い40.1%に上昇。東京23区/流通戸数は29%増。価格改定シェアは45.7%と、約10年ぶりの水準。中古マンション価格/都心6区では10年で9割高となっている。※同上
  37. 住宅:中古住宅/同上-首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)全体は前月比26万円(0.5%)高い4845万円。埼玉県/40万円(1.3%)高の3062万円など郊外3県の伸びが押し上げた。近畿圏/横ばいの2909万円、中部圏/4万円(0.2%)高い2304万円。※同上。
  38. 住宅:中古住宅/東京カンテイ情報-2月の東京都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンションの希望売り出しか価格(70㎡換算)は前月比で73万円(0.7%)高い1億38万円。3カ月ぶりに1億円台、2002年の集計開始後の最高値更新。「千代田区で高額物件の取り引きがあった影響が大きく、全体では天井感強まる」。※日経3-31/23P26
  39. 住宅:中古住宅/同上-正味の在庫量を示す流通戸数は都心6区で4023戸と前年同月比で19%増えており、取り引きは鈍くなっている。直近3カ月間に値下げした住戸の割合を示す価格改定シェア/4割で高止まりしている。※同上
  40. 住宅:中古住宅/同上-首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)全体は前月比21万円(0.4%)高い4866万円。上昇は3カ月連続。千葉県の上昇(47万円/1.7%)が目立った。近畿圏/5万円(0.2%)高の2914万円。中部圏/6万円(0.3%)高の2310万円。※同上
  41. 住宅:空き家/政府-空き家の発生を抑えて活用を促すため関連法改正を閣議決定。窓や壁の一部が壊れているような管理不全の空き家について税優遇の対象外として「増税」とする。中心市街地など空き家が集中する地区を対象に建築規制を緩和し、建て替えを後押しする。※日経3-4/23
  42. 住宅:空き家/同上-住宅の相続が増加することを見据え、空き家として放置されない仕組みを整える。今国会で空き家対策特別措置法改正案の成立を目指す。2015年の施行以降、初の改正。空き家の所有者には国や自治体の施策に協力する義務を課す。早ければ2023年度中に新たな対策に着手する。※同上
  43. 住宅:空き家/オリエンタルコ-ポレ-ションとみずほフィナンシャルグル-プ(FG)-きらぼし銀行など5地銀と組んで、全国で約849万戸ある空き家(うち349万戸は流通市場に出回らず事実上放置されているとされる)の解消に向けたビジネスを始める。空き家情報を簡単に検索できるインタ-ネット上のサ-ビスを立ち上げ、購入希望者にロ-ンを提供する。※日経3-25/23P1
  44. 住宅:空き家/同上-きらぼし(東京・港)、北日本(盛岡市)、千葉興業、滋賀、築邦(久留米市)の5地銀が参加を決め、今後さらに増える見込み。住宅の1割を占める空き家の解消が進めば、地域の活性化にもつながる。※同上
  45. 地価:国土交通省情報/2023年1月1日時点の公示価格-住宅地と商業地といった全用途の全国平均が前年比1.6%上昇。上昇は2年連続で、リ-マン・ショック前の08年(1.7%)に次ぐ水準となった。往来の回復や海外マネ-の流入で都市部の商業地が伸びた。地方では価格下落が続く。欧米の金融システム不安/マネ-流入鈍化のリスク。※日経3-23/23P1,3
  46. 地価:同上/全国平均の上昇率-2022年(0.6%)を1ポイント上回り、コロナ禍前の20年(1.4%)を超えた。上昇地点/調査対象の全国26,000地点の58%(22年は43.6%)に達した。商業地/全国で1.8%上昇、オフィスや店舗が集まる都市部がけん引。住宅地/全国で1.4%上昇。都市部でマンション価格が高騰、交通利便性の高い郊外でも地価上昇。※同上
  47. 地価:同上/地方4都市(札幌、仙台、広島、福岡)-大型再開発や交通インフラ整備が進み、全用途平均で8.5%上昇。札幌近郊の北広島市は複数地点で約3割上がるなど4市周辺に波及(新球場効果)。※同上
  48. 地価:同上/4市を除く地方圏-28年ぶりにプラス。都道府県別-人口減などで地価の下落が続く地方県は少なくない。商業地では約半数の23県(前年/29県)が、住宅地では22県(同/27県)がそれぞれマイナスにとどまっている。※同上
  49. 地価:同上/日本の不動産市場-低金利で資金調達でき、年間賃料収入を物件取得価格で割った投資利回りは安定しているとされる。ジョ-ンズラングラサ-ル情報/20年の日本の不動産投資総額に占める海外投資家の比率-34%で、コロナ禍でも魅力的な市場と位置づけられている。22年の世界の不動産投資額/約136兆円、前年比19%減。※同上
住宅リフォーム関連
 
住宅ロ-ン関連
  1. 住宅ロ-ン:3メガバンク/4月の住宅ロ-ン金利-固定型をそろって引き下げた。10年固定の基準金利/三菱UFJ銀行-0.13%引き下げの3.60%、三井住友銀行-0.30%下げの3.54%、みずほ銀行-0.25%下げの3.30%。※日経4-1/23P5
建材・住設・家具関連
  1. 建材:輸入鋼板/輸入鋼板を積んだ船が関東地区で滞留している。倉庫に積み上がっている在庫(岸壁在庫)の出庫が進まず、荷揚げできないためだ。自動車など製造業の需要回復遅れが背景にある。大需要地である関東の洋上に残る鋼板が、国内の市況にも影響を及ぼす可能性がある。※日経3-4/23P17
  2. 建材:輸入鋼板/阪和興業情報-関東では鋼板の荷揚げを待つ滞船数は11隻。滞船数が10隻前後の状況が1年ほど続く、異例の状況だ。1月末の東京地区の輸入鋼材3品種(厚鋼板、熱延コイル、冷延コイル)の岸壁在庫/74,000トン。前年同月比10%増、前月比では12%少ないが「在庫量は依然高いままだ」(阪和興業)。※同上
  3. 建材:輸入鋼材/輸入鋼材3品種(厚鋼板、熱延コイル、冷延コイル)の2月末時点の岸壁在庫-東京地区と大阪地区の合計は163,000トン。1月末に比べ15,000トン(10.1%)多い。前月を上回るのは4カ月ぶり。前年同月比でも4000トン(2.5%)多く在庫量は高水準で推移。国内の製造業/生産回復が途上だ。東京地区/洋上の滞船が慢性化。※日経3-31/23P26
  4. 建材:鋼板/薄鋼板の主要3品種(熱延、冷延、表面処理)のメ-カ-・流通在庫-1月末時点の速報値は4,282,000トン。2022年12月比65,000トン(1.5%)増。前月比で増加するのは5カ月ぶり。主要な需要先である自動車メ-カ-などの生産回復が遅れ、鋼板の需要が停滞している。前年同月比では363,000トン(7.8%)少ない。※日経3-7/23P20
  5. 建材:建設用鋼材/東京製鉄-建設用鋼材のH形鋼や異形棒鋼などの4月分の契約価格を3月分から1トン3000円(2-3%)引き上げる。電気代などの製造コストが上昇しているのを反映する。熱延鋼板などの鋼板類は前月から据え置く。※日経3-21/23P20
  6. 建材:建設用鋼材/同上-H形鋼などの値上げは2022年5月分以来、11カ月ぶり。4月契約分の価格/H形鋼-1トン127,000円、しまH形鋼-同137,000円、みぞ形鋼-同123,000円。異形棒鋼-同103,000円と、2カ月連続で値上げした。電気料金/4月以降も上昇が見込まれ「高止まりが続く」(同社)と。※同上
  7. 建材:建設用鋼材/共英製鋼-異形棒鋼の販売価格を4月契約分から1トンあたり3000円引き上げる。主原料の鉄スクラップ価格の上昇に伴い、鉄鋼メ-カ-各社が上昇分を製品価格に転嫁する動きが顕著になっていると。同社/3月契約分からの5000円の値上げを打ち出したばかり。エネルギ-価格など生産コストの上昇続くと判断。※日経3-23/23P23
  8. 建材:建設用鋼材/日本製鉄-H形鋼の一般流通(店売り)向け価格を3月契約分から1トン3000円引き上げる。値上げは2022年4月分以来、11カ月ぶり。ウクライナ危機の影響で上昇していた原料コストの未転換分と、エネルギ-などのコスト上昇分を製品価格に反映する。22年2月分から3カ月間で累計15,000円引き上げていた。※日経3-24/23P26
  9. 建材:ステンレス線材/日鉄ステンレス-ステンレス線材の3-5月分の契約価格を引き下げる。2022年12月~23年2月分に比べニッケル系を1トン2万円(2%)、クロム系を同5000円(1%)値下げする。値決めの参考となる期間に円高が進んだのを反映した。値下げはニッケル系が2四半期ぶり。クロム系は2四半期連続。特殊鋼種も価格を引き上げる。※日経3-24/23P26
  10. 建材:ステンレス鋼材/ステンレス鋼板の余剰感が強まっている。国内の流通価格が高値を維持するなか、アジアの需要鈍化や過剰輸出を背景に中国や台湾などから割安な輸入材が流入している。ステンレスの国内在庫はだぶついており、市況の下押し圧力が強まる可能性がある。1月のニッケル系冷延ステンレス鋼板の在庫量/前年同月比23.4%増。※日経3-25/23P22
  11. 建材:石こうボ-ド/石膏ボ-ド工業会情報-1月の石こうボ-ド出荷量は4023万7000㎡と、前年同月比11.2%増。前年同月比を上回るのは2カ月連続。2桁の増加率は2021年11月以来。メ-カ-値上げ前の駆け込み需要が発生。業界最大手の吉野石膏とチヨダウ-テ/23年2月から石こうボ-ド製品を現行から30%値上げを表明済み。※日経3-15/23P22
  12. 建材:コンクリ-ト製品/空き家再生のリテラス(徳島市)を経営する喜田智彦社長(45)が考案-セメントと砂と水でつくるモルタルに、藍の顔料を練り込んだア-ト製品「藍デザインコンクリ-ト」が国内外で注目を集めている。高級ホテルや飲食店に藍染めの調度品などを納める一方、3月末にはフランスのル-ヴル美術館で開催されるフェアに作品を出展する。※日経3-10/23P41
  13. 建材:セメント/セメント協会情報-2月のセメントの国内販売量は2,915,765トンと前年同月比0.4%減。前年同月比を下回るのは6カ月連続。全11地区のうち、8地区で前年を下回った。公共事業など官需が、地方を中心に振るわなかった。22年4月~23年2月の累計/前年同期比1.5%減の34,032,082トン。※日経3-29/23P21
  14. 建材:産業資材/景気動向に敏感な素材や燃料などの企業間取引価格を基に算出する日経商品指数42種(1970年=100)の3月末値-253.199と、2月末から0.024ポイント(0.009%)上昇。3カ月連続で最高値を更新。米シリコンバレ-バンクの破綻など欧米の金融機関の経営不安が広がり、金の海外相場が上昇。国内に波及。※日経4-1/23P20
  15. 住設:火災報知器工業会/調査-自宅に火災報知器を設置して10年以上過ぎた人のうち、70.1%が交換の目安時期(10年)を知らなかったことが分かった。64.0%は報知器の点検方法を知らなかった。総務省消防庁情報/2022年6月1日時点の設置率は84.0%。安全のため、10年を目安に取り替えるよう推奨している。※日経3-6/23P34
  16. 家具:内田洋行/2023年1月中間期連結-経常減益。売上高941億円(前年同期/864)、経常益26.92億円(同/29.42)、利益16.72億円(同/14.94)。23年7月期連結見通し/売上高2360億円、経常益75.00億円、利益48.00億円。※日経3-4/23P16
  17. 家具:内田洋行/2023年7月期連結見通し-純利益は前期比7%増。従来予想を2億5000万円上回る。ソフトウエアのライセンスやオフィス家具の販売などが好調に推移している。好業績を反映し、23年7月期の年間配当を従来予想から10円積み増し1株150円(前期/140円)にする。※日経3-3/23P16
  18. 家具:ミサワ/2023年1月期単独-増収減益。売上高121億円(前期/116)、経常益5.27億円(同/10.14)、利益3.41億円(同/6.92)。24年1月期単独見通し/売上高127億円、経常益5.54億円、利益3.75億円。※日経3-18/23P19
合板・木材関連
  1. 合板:農林水産省・合板統計情報/国産針葉樹合板の2月末の在庫-前年同月比81.6%増の170,393立方m。前年を上回るのは10カ月連続。前月比でも2.3%増加。新設住宅着工の不振が影響。2月の国産針葉樹合板の生産量/183,195立方mと、前年同月比27.7%減。10カ月連続で前年を下回り、前月比でも5カ月連続のマイナス。※日経3-29/23P22
  2. 木材:輸入木材/住宅の壁などに使う北米産木材の対日価格-4四半期連続で下落。米国で住宅ロ-ン金利の上昇により住宅需要の落ち込みが長引き、木材の需給が緩んだままであったためだ。国内も持ち家着工の不振などを受けて低調だ。現地/減産が進むが、それ以上に需要減が大きく、相場の弱含みが続くとみられる。※日経3-29/23P22
  3. 木材:輸入木材/同上-ツ-バイフォ-住宅の壁などに使うカナダ西部内陸部産SPF(トウヒ・マツ・モミ類)の4-6月期の日本向け規格(Jグレ-ド)価格は1000ボ-ドメジャ-(BM=約2.36立方m)あたり630-650ドル(海上運賃込み)前後。1-3月期比50ドルほど下落。下落は4四半期連続。下げ幅は縮小しているものの,軟調な地合は収束していない。※同上
不動産・建築・ゼネコン関連
  1. 不動産:オフィスビル/三鬼商事情報-2月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は6.15%と、前月比0.11ポイント低下。低下は2カ月連続。竣工1年未満の新築ビルでは三井不動産の大規模再開発事業「東京ミッドタウン八重洲」のオフィスビルの成約が進んだ。既存ビルも拡張移転に伴う成約があった。※日経3-10/23P21
  2. 不動産:オフィスビル/同上-新築ビルの空室率は21.04%と前月比3.49ポイント低下。既存ビルは0.08ポイント低い6.97%。新築と既存を合わせた平均賃料/3.3㎡当たり0.06%(12円)安い20,014円と31カ月連続で下落。新築ビル/1.51%(402円)上昇、既存ビル/0.12%(24円)下落。全体の空室率/供給過剰の目安の5%を25カ月連続で上回る。※同上
  3. ゼネコン:大成建設/札幌市で建設中の複合ビルで、鉄骨の施工精度とコンクリ-トの厚さが発注者との契約に基づく規定を満たさない施工不良があった。品質管理の担当社員が発注側に虚偽の申告をしていた。建築基準法を満たさない恐れがあるため解体して建て直す。担当役員2人/引責辞任。完成/2024年2月→26年6月末。※日経3-17/23P14
  4. 内装:丹青社/2023年1月期連結-増収減益。売上高642億円(前期/627)、経常益7.93億円(同/22.09)、利益4.59億円(同/14.34)。24年1月期連結見通し/売上高760億円、経常益31.60億円、利益20.90億円。※日経3-11/23P17
  5. 内装:丹青社/新社長-小林統氏(こばやし・おさむ)。1983年(昭58年)法政大経卒。84年丹青社入社。16年取締役、22年専務。長野県出身。63歳(4月26日就任。高橋貴志社長は代表権のある会長に)。※日経6-11/23P15
塗料・素材・原油関連
  1. 原油:日本の石油会社が長期契約で輸入するサウジアラビア産原油(DD原油)の価格が小幅に上昇。代表油種「アラビアンライト」の2月積み価格/前月比0.05ドル高い1バレルあたり83.95ドルとなった。上昇は2カ月連続。ドバイ・オ-マン原油の平均価格/82ドル前後と、1月に比べ2%ほど上昇。円安・ドル高の方向で調達コストが高止まり。※日経3-2/23P21
  2. 原油:原油相場の下落が鮮明だ。米原油先物は1バレル70ドルを下回り、約1年3カ月ぶりの安値圏にある。欧米の一部銀行の経営不振が飛び火し、リスク資産を手放す動きが原油売りにつながった。16日に下げ止まったが、世界景気の先行き不透明感から原油需要が下押しされるとの見方が根強く、戻りは鈍い。※日経3-18/23P19
  3. 原油:同上/米指標のWTI原油先物-16日、1バレル68ドル近辺で推移。15日には一時前日比8.0%安となる1バレル65.65ドルまで急落し、2021年12月以来となる安値を付けた。欧州の指標である北海ブレント原油先物も16日、一時前日比7.5%安の1バレル71.67ドルまで下がった。※同上
  4. 原油:米ニュ-ヨ-ク市場/WTI原油先物の期近物-1バレル72.81ドルで取り引きを終えた。前営業日比で5%高く、上げ幅は約半年ぶりの大きさ。イラクからトルコへの原油パイプラインの停止で供給懸念が高まった。米欧の金融システム不安による景気悪化への過度の警戒感が弱まり、原油需要が回復するとの観測も相場を押し上げた。※日経3-29/23P9
環境関連
  1. 脱炭素:三井不動産/北海道など国内7カ所で太陽光発電所(総発電量/約2300万kw時)を稼働し、自社が保有する商業施設などに直接供給する取り組みを始める。FITを利用せず、各施設に直接送る。電力会社に支払うコスト負担が減り、1物件当たり電力代は年間で数百万円安くなる。グル-プのCO2排出量/年間で1万トン削減。※日経3-7/23P15
  2. 脱炭素:東京都/電気自動車(EV)充電器の増設に本腰を入れる。2年後に全国で初めて新築マンションへの設置を義務づけるのに先立ち、2023年度に中古マンション向けの補助上限を2倍超に引き上げる(最大/81万円、機械式駐車場は171万円)。※日経3-7/23P1
  3. 脱炭素:同上/対象マンション-4-5万棟。30年時点で都内マンションに設置済みのEV充電器を6万基と、21年度末時点の150倍に増やす計画だ。マンションなどの集合住宅には都内の全世帯の7割が暮らしており、充電器設置はEV普及の大きなカギを握る。※同上
  4. 脱炭素:川崎市/2025年度から戸建て住宅に太陽光発電設備の設置を義務づける方針を決め、条例改正を提出した。先行する東京都が注目されるが、京浜工業地帯の心臓部を抱える川崎市のCO2排出量は政令市ワ-スト。CO2排出量で全体の1割に満たない家庭からの排出削減に踏み込んだのも、並々ならぬ危機感からだ。※日経3-15/23P2
アジア関係/その他
  1. アジア:中国/国家統計局情報-2月の主要70都市の新築マンション価格が単純平均で前月比0.3%上昇。2021年8月以来1年半ぶりのプラスとなった。長く値下がりが続いていた中小都市を中心に販売が増加。雇用の改善がもたつくなか、マンション販売の回復に持続力があるかはなお疑問が残る。※日経3-17/23P13
  2. アジア:中国/国家統計局情報-2023年2月の住宅販売価格について。政策の効果が徐々に表れ、また住宅の需要が一段と増え、大中70都市の中で2月に分譲住宅販売価格が前日に比べ上昇した都市が前月に続いて増え、各レベルの都市とも全体的に前月比上昇となった。一線都市(4)、二線都市(31)、三線都市(35)。※京貿
  3. アジア:中国/国家統計局情報-70大中都市の2月の分譲住宅販売価格は前月比で全体的に上昇。2月は政策効果が徐々に現れ、住宅需要が一層引き出されたのにともない、70都市のうち、分譲住宅の販売価格が前月比で上昇した都市は引き続き増加し、各線都市の分譲住宅の販売価格は前月比で全体的に上昇た。※京貿
  4. その他:倒産/東京商工リサ-チ情報-企業倒産が増え続けている。2月の全国企業倒産件数/前年同月比26%増の577件と、11カ月連続増加はリ-マン・ショック前後の2009年4月以来、13年10カ月ぶり。コロナ禍を受けた実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」返済が本格化し、経営再建を断念する「息切れ型」の倒産が広がっている。※日経3-9/23P8
  5. その他:倒産/同上-件数の増加率が20%以上は3カ月連続。20年2月の651件と比べ少ないが、増加基調は顕著になっている。業種別/飲食業-60件と前年比54%増。運輸業-2.3倍の36件、建設業-44%増の115件、製造業-15%増の60件。燃料や原材料価格の上昇や人手不足の影響が出た。負債1億円未満の件数/8割弱。※同上
  6. その他:中小企業支援策/コロナ禍対策として導入した中小企業の資金繰り支援策を9月末まで半年間延期する。日本政策金融公庫の低利・無担保融資などが対象。実質無利子・無担保「ゼロゼロ融資」の返済期限を迎える企業に対して支援を続ける必要があると判断。資本性劣後ロ-ンやセ-フテイネット貸付も9月末まで期限を延期。※日経3-16/23P5
■トピックス
 建材/だぶつく在庫-住宅・中小ビルの建設停滞 木材や塩ビ、出荷進まず   <日経3-9/23P17>
  • 概要:木材や鋼材など建設資材のメ-カ-や流通の現場で在庫がだぶついている。都心部の再開発ビルなどの需要は堅調な一方、中小ビルや住宅の建設が停滞して出荷が振るわないためだ。需要減少を受けて建設資材メ-カ-は生産調整に取り組むが、出荷が進まないため在庫が減らない。高止まりしてきた資材価格も一部で弱含み始めた。
  • 建設資材は在庫増・出荷減が目立つ:下表参照/2023年1月末値、単位%、▲は減少。
      製品              在庫量              出荷量
                       前年比/前月比       前年比/前月比
      国産針葉樹合板  81.4 /▲6.5          ▲24.6/▲8.5
      塩ビ樹脂         ▲2.6/  5.3          ▲12.1/▲6.3
      H形鋼           ▲4.2/ 0.1            4.2/▲10.6
      セメント            2.6/ 5.4              ▲5.1/▲22
  • 住宅着工の低迷が響く:国土交通省情報/2022年4月~23年1月の新築住宅着工戸数-前年同期比0.3%減。とりわけ木材を多く使う「持ち家」は12.2%減と減少が目立った。景気の不透明感に加えコロナ禍で郊外に住宅を求める動きが一巡。日銀の政策修正に伴う住宅ロ-ン金利の上昇も逆風になるとみられている。国内の合板メ-カ-/在庫調整のため、昨年秋から減産に踏み切った。ただ、足元では減産以上に需要減が大きく「一向に在庫が減っていない」(木材問屋)。メ-カ-は3月も生産調整を継続するもよ  うだ。中小ビル向けの低迷はセメントの荷動きにも表れている。
  • 価格は弱含み:在庫の増加は資材価格の潮目も変えつつある。コロナ禍やウクライナ危機に伴う資源高を背景とした値上げで流通価格は高騰が続いた。足元の需給緩和を受けて一部の品目は弱含みになってきた。針葉樹合板(厚さ12mm)/東京地区の問屋卸価格-現在、1枚2000円。22年6月に最高値をつけてから横ばいが続くが、「高値維持は厳しい」(木材問屋)との声も聞かれる。H形鋼/東京地区の問屋仲間価格-現在、1トン123,000円前後。22年夏ごろから横ばいが続く。年明け以降は荷動きの停滞感が さらに強まり「一部で安値販売の動きがみられる」(形鋼問屋)。塩ビ樹脂やセメント/高止まり続く。荷動きは鈍いものの、電力代などコスト高に直面するメ-カ-は値下げ販売に慎重だ。      99-80
    • ■情報源:※日経=日本経済新聞 四国版 ※京貿=日本国際貿易促進協会京都総局
                 ※国貿=国際貿易          ※高新=高知新聞