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■■□ アドペックレポート/住宅&関連市場情報
□□★ <2025年10月号> No.0246
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(株)アドペックは、日本を代表する木工機械メーカー数社などが出資
木質系・窯業系建
材の加工・塗装設備のライン設計から施工管理・試運転立ち上げまでのエンジニアリング
を専門に行う企業です。詳細はホームページをご参照下さい。
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アドペックグループの活動状況報告並びに
住宅関連情報を発信させて頂きます。
内容
(1)中国のセメント系不燃ボードの現状
(2)住宅関連情報 今月の住宅関連情報へのリンク
住宅・建材・家具・不動産等についての公開記事を中心に1ヶ月分をリストア ップ し
て発信します。
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中国レポート
中国のセメント系不燃ボードの現状
名古屋の9月の天気は、前半は最高気温が35℃を超える日が続き、後半は徐々に気
温が下がる傾向ですが、30℃を大幅に切ることはなく夏日が続いていました。しかしながら
朝の最低気温はさすがに20℃前後まで下がってきましたので、後半はエアコン無しで寝られ
るところまで来ています。今年は9月から10月にかけて台風が多く上陸するとの予想でした
が、9月に日本に上陸した台風は、台風15号の一つだけになっています。この台風の影響
で各地の大雨により被害が発生しましたが、特に秋田県と静岡県では浸水被害と竜巻・
突風による被害も出ています。中国中山市は相変わらず33℃前後の日が続いています。
今回は、中国における不燃ボード(セメント系ボード)の製造及び使用に関するレポート
をお伝えします。
中国では都市化の急速な進展に伴い、住宅・商業施設・公共建築における耐火・不
燃化に対して、不燃建材の需要が増大してきています。不燃建材の代表であるセメント系
ボードは、火災防止・構造補強・施工性向上のため広く採用されています。中国における
製造工程、規制、使用実態及び課題を整理していきます。
中国におけるセメント系ボードの規制と認証に関して、規格として(GB/T
17657 建築
材料の性能試験)が適用されますが、性能試験としては下記の項目が含まれています。
・不燃性能試験(火災発生時の燃焼性評価)
・強度試験(曲げ・圧縮強度)
・吸水率・寸法安定性評価
また、建築法・消防法により、公共施設や高層建築への使用には不燃建材認証の取得
が必須となっており、地方によっては追加規制が存在することもあり、地域差があるようで
す。
製造工程の概要は日本と同じような設備機械を使用して製造されていますが、原料調
合に関しては多種多様で、品種としては日本より多いと思われます。
・原料調合:セメント、鉱物骨材、繊維材料(ガラス繊維・パルプ木質繊維・セルロース
等)一部未だに石綿を使用している地域もあります。
・整形・圧縮:一般的に世界的に使用されているハチェック式の抄造方式が主流です
が、ガラス繊維補強のボードも設備が簡単だからか、多く製造されています。セメント瓦
はプレス方式の物が多く製造されており、外壁ボードは中厚から厚物の押出真空射出
成型や木片セメントボードの製造も少数ではあるが、製造されています。
・硬化・乾燥:一般的には一次蒸気養生後の熱風循環乾燥機による乾燥が主体です
が、二次養生としてオートクレーブ(蒸気加圧)の処理をする製品も増えてきています。
・加工仕上げ:サイズカット設備や中厚品や厚物に関しては、テノーナーによるアイジャクリ
加工品もあり、厚み規制の為のベルトサンダーも一部では使われます。
・塗装等の二次加工:内装材料及び外壁材料とも、塗装仕上げをした二次加工商品
の需要が増えており、規制の為ほとんど水溶性塗料が主体として使用されています。よ
り高級な仕上げの方法として、インクジェットによる印刷模様とUV塗料による仕上げを
する商品も増えてきているようです。
・作業環境に対する粉塵管理や製造時に排出される水及び大気放出の規制もかなり
厳しいのですが、地域差がかなりあるようです。
・省力化・自動化
製造設備の省力化や自動化は各企業や地域により大きな差がありますが、大手企業
においては日本と同程度まで、進んでいるのが現状です。ロボットを始め自動化に必要
な制御関係も日本や欧米のブランド品から、中国ブランドの物に大きく変わってきてい
るのも現実ですが、まだ信頼性と耐久性に関しては問題が多いと言われています。
現状の中国で製造されるセメント系不燃建材に関しては、かなりレベルが高い製品が作
られるようになってきていますが、品質のバラツキ・エネルギー効率・安全管理等の課題も残
っているようです。中国の大きな需要を賄うべき生産量は増える傾向にあり、一社当たりの
生産量も日本企業の数倍の規模となってきています。
中国は使用される建材も地域格差がいまだに大きく、その品質も同じレベルではないの
が現状です。現在の中国の不動産不況により、住宅販売が低迷し新築住宅の着工数も
激減している現状において、中国の建材・家具・家電メーカーはかなり業績が悪化している
事は確かだと思いますが、もともと大きな人口に支えられている底堅い需要がある事から、
品質の高い商品を製造しているところは残り、粗悪な品質のメーカーは淘汰される傾向に
なっており、各業界の再編成が進んでいるようです。
中国においては、一般住宅は80%以上が集合住宅の形態となっていますので、セメント
系ボードの使用数量は一般住宅では少なく、日本の集合住宅とは違って、天井はコンクリ
ートの面に木材や合板等で整形下地を作り、モルタル等による造作整形後塗装する仕上
げ方法が多く、壁に関しては二重壁を作らずモルタル仕上げ後に壁紙を張る方法が主力と
なっています。一部セメント系ボードも不燃化の傾向から使われ始めていますが、使用され
る数量は多くないのが現状です。木質フローリングや陶板が一般住宅の内装建材としては
多く使用されていた関係から、それらの業界はかなり不動産不況の影響が大きいと思われ
ます。
セメント系不燃ボードは、商業施設や、オフィスビル、公共施設等で内装材・外壁材・天
井材として使用されており、今後も住宅の壁の二重化や不燃化も含めて急激な伸びは無
いと思われますが、良い品質のものや二次加工商品が安定した成長として伸びていくと考え
られます。
2025年10月10日
車田 修
(2)住宅関連情報
2025年9月
目次
1.住宅関連
2.リフォーム関連
3.住宅ローン関連
4.建材・住設・家具・合板・木材関連
5.建築・不動産関連
6.塗料・素材関連
7.環境関連
8.アジア関連
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